未来をつなぐ夢はさみ 2009年度 活動報告 vol.1|カンボジアでの美容職業訓練レポート|Special

未来をつなぐ夢はさみ 2009年度 活動報告 vol.1

カンボジアの子どもたちが、自分たちの手で未来を切り拓く。



未来をつなぐ夢はさみ 海外美容職業訓練
第2回実施レポート 2009年5月


日時:2009年5月25日(月)~29日(金)

場所:カンボジア北西部バッタンバン「若者の家」

トレーナー:田中英里さん((株)岩井文男美容室)、藤井裕士さん(Hair's Gallery)

受講生:16人



【1】バッタンバンまでの道のり

日本の優れた美容技術を社会貢献活動に役立てたいという想いから、昨年始動したカンボジア、バッタンバンでの美容職業訓練“未来をつなぐ夢はさみ”。今年も5月25日~29日の5日間にわたり、NPO法人「国境なき子どもたち(KnK)」のご協力を得て、元ストリートチルドレンや人身売買の被害にあった青少年のための自立支援施設「若者の家」において実施されました。

今回トレーナーとして参加いただいたのは、シュワルツコフのこの活動に賛同し、トレーナーに応募いただいた100名以上の美容師の皆さんの中から選ばれた 2名。名古屋に本拠地を置く㈱岩井文男美容室の田中英里さんと大阪に本拠地を置くHair’s Galleryの藤井裕士さんです。お二人ともそれぞれお忙しい中、スケジュールを調整し、公休を使い、ボランティアとして今回の活動に参加してくださいました。

5月24日、早朝、バンコクを経由して、プノンペン空港に到着。そのまま、車でバッタンバンに向かいました。プノンペンの町を抜けると、目の前に広がったのは一面の田園風景と牛、そして水牛たち。真っ直ぐに伸びる国道5号線を約5時間、ガタガタという大きな震動とともに、ただひたすら北上し、ようやくバッタンバンの町に到着したのは午後2時を回った頃でした。

今回のトレーニングに参加した生徒は、男子1人を含む17才から23才までの16人。初日はトレーナーの自己紹介の後、はさみの持ち方や動かし方、ブロッキングといった基本技術、そしてワンレングスをウィッグを使って練習しました。生徒たちは緊張と気恥ずかしさのせいか、表情が硬く、笑顔が見られません。しかし、田中さんのデモンストレーションを見る表情は真剣そのもので、ひとつひとつの動作を確認するように見入っていたのが印象的でした。実際にウィッグを切ってみると、二人のトレーナーも驚くほど上手に切り進めていきます。カンボジアの人たちは生来、手先が器用なのかもしれません。カンボジアではまだまだ男性が女性の髪を切るのは一般的ではなく、唯一参加した男子生徒サンピアン君のことが気がかりでしたが、彼はとても器用で、生徒の中で一番丁寧に作業を進めていきます。

2日目、3日目はレイヤーテクニックを学びました。日に日に生徒たちの技術は目に見えて上達し、同時にトレーナーと生徒たちとの距離も縮まってきました。自らトレーナーに質問したり、時には甘えてじゃれついたり・・・・・女子生徒ばかりの環境で萎縮していたように見えたサンピアン君もトレーナーに積極的に質問したり、ウィッグの確認作業を求めてくるようになりました。

4日目、5日目は生徒たちが友達や先生、KnKのスタッフたちに呼びかけて、モデル実習を実施。田中さん、藤井さんの助けをかりて、3日間学んだワンレングス、レイヤーの技術を使って、モデルさんの要望にできるだけ応えようと一生懸命がんばっている生徒たちの姿が印象的でした。カットを終えた後、モデルさんの喜ぶ姿を見た生徒たちの充足感溢れる表情に、トレーナー二人にも笑顔が・・・美容の力って素晴らしい。




【2】修了証書授与式とお別れパーティ

トレーニング最終日には、修了証書授与式が行われました。KnKカンボジアの代表Kong Sophea氏から、はるばる日本から来てくれた田中さん、藤井さんに感謝の気持ちが伝えられました。「今回のトレーニングで学んだことを将来のために活かしてほしい。親や兄弟、大切な人のために、お金を稼ぐ糧としてほしい。」という言葉に、生徒たちが直面する厳しい現実をつきつけられた気がしました。

その後、トレーナーの田中さん、藤井さんから生徒1人1人に修了証書が手渡されました。お菓子とジュースを囲んでのフェアウェルパーティでは、生徒が次々に田中さん、藤井さんの傍へ来て、感謝の気持ちを伝えたり、別れを惜しんだりといった光景が見られました。なかには田中さんに抱きついて、帰国を悲しむ生徒もいました。生徒たちの達成感に満ちた表情と笑顔、素直に感情を表現できるその純粋さにトレーナー二人も感動している様子。




【3】トレーニングを終えて

今回の活動資金として、多くのサロン様、代理店様、一般の方々から「国境なき子どもたち」へ寄付金をいただきました。集まった寄付金はトレーナーの渡航費用やはさみなどの道具を購入するために使用されました。また、弊社の社会貢献活動であるMIT(Make an Impact on Tomorrow)からも資金を提供するとともに、弊社の社員もファシリテーターとして参加しました。

シュワルツコフではこの海外美容職業訓練活動“未来をつなぐ夢はさみ”を今後も継続していきます。この活動が彼らの就業支援に直接つながる環境をつくることは、まだまだ先のことかもしれません。技術を習得し、美容師になるという思い、今回の経験を自分の人生にどう活かすかは、彼らが決めることです。しかし自分の意志で、自分の未来を選択するために必要な教育やトレーニングの機会を与えられていないカンボジアの青少年たちに、美容師という仕事の素晴らしさ伝え、未来の夢につながるトレーニングの機会を提供することは大きな意味があると考えています。美容師の皆さんを始め、美容という仕事に携わる私たち一人ひとりが、世界の現実に目を向け、何ができるかを考え、どんなことでもいいから行動を起こすことが大切なのです。

寄付にご協力いただきました皆様、トレーナーに応募してくださった美容師の方々、また、このような機会を提供してくださった「国境なき子どもたち」のスタッフの皆様に心から感謝いたします。