未来をつなぐ夢はさみ 2015年度 活動報告 vol.9|カンボジアでの美容職業訓練レポート|Special

未来をつなぐ夢はさみ 2015年度 活動報告 vol.9

“未来をつなぐ夢はさみ”に参加して

第14回トレーナー感想 2015年10月
伴 麻里恵さん(株式会社岩井文男美容室)



幸運なことに、もう一度バッタンバンを訪れる機会を頂きました。

“二度目”という気負いや緊張を吹き飛ばしてくれたのは、私を見つけて駆け寄ってきて抱きつくラックセイ・ソコンティー・ラッタナー(昨年の生徒3人)の腕の強さでした。

昨年別れ際、想いを伝えたくて抱きしめあった時と同じ強さで。

講習初日には生徒をモデルにツーセクションのメンズスタイルを披露したり、生徒が浴衣の着付け・ヘアセットなど日本の技術に挑戦する時間を設けることができました。

美容師は人の美をトータルで提案できるすばらしい仕事だと体感してもらう事は私たちの希望でもあり、とてもうれしく思います。

伝えるカット技術は、難易度の高いものでした。

ワンレングスの復習をしながら、ローレイヤー・ハイレイヤー・縦で切るグラデーション・横で切るグラデーション・刈り上げの切り分けです。17.5時間、2体のウィッグでこのすべてを網羅します。伝える側も、受け止める側も必死です。

立ち位置 ブロッキング シェープ 姿勢 全ての基本となる大切なことを何度も言い続けました。

基礎をきちんと身につけることはいつか自分を助けてくれるし、自分に自信をくれるから。

ふと気づいたら、褒め言葉が減ってしまっていました。

私自身の課題は、国が変わっても同じ。正論の熱で生徒の表情を見るはずの目はかすみ、声を拾うはずの耳はぼやけ、気持ちを受け入れるはずの器は小さくなってしまうのです。

そんな時、我に返らせてくれたのは一緒に行った仲間でした。

隣であきらめずにグラデーションの角度を示す栗木さん 向かいで日本語の「ヒジ」を生徒に覚えさせる馬場さん 時に声を出して生徒の集中力を取り戻してくれる鈴木さん みんな熱いそして笑っている! そうだった私も! 仲間に助けられて刺激しあって、あっという間に過ぎていった5日間でした。

認定証を受け取る生徒たちのはにかむ顔、誇らしげな顔、泣き顔に私たちの熱い想いは伝わっていたと信じます。

喜ばしいことに今年は新たな取り組みとして、首都プノンペンでの就職に向けたインターンシップも実施されました。

カチコチに緊張するラッタナー、ラックセイ、ソコンティーでしたが、勇気を出して一歩踏み出すのは自分自身、殻を破るのも自分自身。君たちならできる大丈夫!と背中を押すのは、さながら母の心境でした。

そしてシャンプーの練習モデルになった時には、今さらながら本当に同じ職業を志す仲間になったことを脳ではなく肌で理解したというか… 自然に熱いものがこみ上げてきたのです。

ノット、スレイピッ、ロムニー、チャンティー、カンニャー、シヤン、カムヒーン、フォンヒーン、ニタ、チャイヨー、フーワ。

バッタンバンで出会った生徒全員の未来が、より良くなることを心から願っています。

お坊さんの読経で起こされる朝。もうすぐ雨が降るにおい。ティーチャーわかんない!とイラつく眉わかったときの輝く瞳。

クメールデライトのトムヤムスープの味。鮮やかなマジックアワーはご褒美すべてを忘れません。

ヘンケルシュワルツコフ様、国境なき子どもたち様、ナルトシザー様、サプラス様、髪結様、TokyoBiyori様、岩井文男美容室、Loose、お客様、友人、父母、栗木さん、馬場さん、鈴木さん、ティダ、ヴィチカ、支えて下さった全ての方に心から感謝します。

本当にありがとうございました。




栗木 智美さん(株式会社岩井文男美容室)



カンボジアは、想像していた通りもあり、想像以上なことがいっぱいありました。

生徒たちのはさみは、切れ味の良くないはさみ、利き手ではない、はさみ持っている状態、色んな所で生活環境、状況の中で、みんなの笑顔と一生懸命さが、伝わってくる。

最後までカットのチェックをお願いしてくれると、修得したい気持ちが、言葉の壁があっても私たちも、ボディランゲージで、伝わることもでき、数日間の中で、みんなの技術の修得の早さに驚きました。

自分も、美容師になり、教えてもらい学び、お客様に技術を提供し、喜んでもらえることが、カンボジアで美容師を、目指すみんなの将来の道へ、つながっていけるお手伝いができ、本当に良かったです。

この活動が、ずっと続くことによって、美容師が、一人でも増えていくと、心から願います。

今回を通じて、色んな方に、支えてもらい、行かせて頂き、ありがとうございました。




馬場 庸輔さん(株式会社岩井文男美容室)



行くにあたり、正直、不安はすごくありました。

言葉や文化の違い、その環境下でしっかりコミュニケーションをとることができ、僕らの伝えたいこと、伝えたい技術はしっかり伝わるのだろうか?

そんなことを思いながら当日を迎えました。

しかし、始まるとそんなものを感じる間もなくあっという間に過ぎ去ってしまう5日間。

今回、カット内容がいつもより更に一歩踏み込んだスタイルを教えるということで、生徒たちも緊張感があったのではないかと思います。

僕は左利きだったので、生徒たちを姿勢や立ち位置などで混乱させないかという不安もありました。

ただ、左利きの生徒が1人いたので、その生徒には右利きのインストラクターでは伝えにくい所までしっかり伝えることができたと思います。

生徒みんながなんですが、分からない所をそのままにしたり、生徒同士で話して自己解決などをせず、インストラクターを呼んで、ちゃんと学ぼうという姿勢がすごく嬉しく、自分自身教わりました。

僕も分からない所を言葉の通じる相手や近くにいる者同士で話して自己解決。なんてことがあったのですが、それではちゃんとした内容を理解せず無理矢理進んでくのと同じだと考えさせられました。

どのスタイルも1回目にしっかり構成、手順を理解しながら切り、2回目にコンテスト形式でカットしてもらいました。

コンテスト形式で行うとみんなが更に熱く、真剣な眼差しでウィッグに向かい合い、僕らが審査中には近くに来て一緒に見つめる姿、すごく嬉しかったです。

そして、最終日のモデルカットの日。場所は近くの学校。その学校の生徒さんたちをカット。

当日の朝、みんないつもよりオシャレして来てる。

対して、僕らはI Love Cambodia Tシャツ。ちょっと照れ臭かったです。

そして学校に着き準備を。

教えた期間は4日間、5日目には実際に人の髪をカット。

けど、みんな自信満々に切ってる姿を見て、安心して見守ることができました。

スケジュール的には生徒からしたらすごくタイトで、嫌になったり投げたしたりしないか心配でしたが、みんな最後の最後まで楽しそうに取り組んでて、自分も楽しく、嬉しく、思いました。

これから彼らが美容を通じ、カンボジアや周辺諸国の未来を、笑顔溢れるものにしてほしいと思います。

そして今回、教える立場として行かせていただきましたが、教える時に言葉は通じなくても、ジェスチャーや表情、日本語、goodや、nice等の英語、それだけでも、伝えたいこと、技術、想いは伝わる。そんなことを教えてもらえて、自分自身学ぶことの多い濃密な5日間を過ごせました。

もし今、行ってみたいけど色々な不安が。って方がいたとしたら、まず行ってみてほしいと思います。日本にいて経験できない事、気づかない、感じないこと、実際に行って肌で感じることで自分の世界が広がると思います。

行けば不安は乗り切るしかないし、乗り切れることしかないです。

最後になりましたが、このような貴重な体験のできる機会を与えていただきシュワルツコフ、国境なき子供たち、岩井文男美容室、支えてくださった皆様本当に感謝します。ありがとうございました!